目次
読み書き障害の息子との日々
折れそうになった心を支えるもの
読み書き障害の息子との毎日で、心が折れそうになる時もあります。
そんなときには、決まって、自分を励ますために思い出す様にしている話があります。
私は、医師として脳卒中後の後遺症の長期間のリハビリテーションに携わっていました。
医師でありながら、非科学的と思われるかもしれませんが、
毎日、患者さんと関わる中で、見えない存在がいるんじゃないかと強く思う時があります。
脳卒中は、ご高齢の方ばかりではなく、お仕事を持った方々も発症する場合もあります。
そんな方々の中には、
(具体的な内容は、患者さんのプライバシーもありますので、変更しています。)
・もともとは書記官をされていた方が脳卒中で言語領域の損傷を受けた
・半導体などのトップランナーが麻痺はないが視空間認知や構成の障害(ものの位置関係を把握する能力)を受けた
・美容師さんが小脳の病変で手先の器用さの障害を負う
など
まるで神様(?)が、その人に試練を与えているのではないかと思う様に、その人の生活に最も大切な機能を損傷している場合が多くありました。
一緒にチームとして携わってくれたセラピストたちも同じ様に感じていまし
た。

苦難とも思える様なことでも、意味があるのかもしれない
…と感じずにはいられませんでした。
よく、
神様は乗り越えられない試練は与えない
と言いますが、
読み書き障害の息子とのご縁も何か意味があるのかもしれません。
時に心が折れても、
先ほどの患者さんたちのことを思い出して、
息子は私を選んでくれたのかもしれないと
一休みしても立ち上がることができます。
わからないことも多く、試行錯誤の日々ですが、
一歩一歩息子の歩みをサポートしたいものです。